介護職のお悩み

介護職の認知症対応・イライラしないで上手に付き合うポイントは?

「介護の仕事をしているけど認知症の人にはいつもイライラしてしまう」

「認知症の人から暴言を吐かれてショックを受けた」

今回はそんな悩みをお持ちの方に向けて、介護職として知っておきたい認知症対応のポイントについてご紹介します。

介護の仕事をしているなら認知症は避けられない?

介護の仕事と切っても切れないキーワードが「認知症」です。

内閣府が発表した平成29年版高齢社会白書によると、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者と言えます。

しかも認知症の方は増加傾向にあり、2025年には約5人に1人が認知症という推計データもあります。

今後は、介護の現場で認知症の方に遭遇する可能性はさらに増えていくことは避けられません。

参考URL:平成29年版高齢社会白書(概要版) – 内閣府

「この人は認知症」とわかるまでが一番大変

介護の仕事で認知症の人と一番に関わる職場はグループホームでしょう。

グループホームは、認知症と診断された人が症状の進行を抑えつつ生活する施設です。

グループホームで認知症の人の介護に携わるならば、事前に利用者の介護度や認知症の進み具合を把握することができるため、介護する側も覚悟することができます。

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しかし、一番大変なのはホームヘルパーとして認知症の人の介護にあたる方ではないでしょうか。

ホームヘルパーは、利用者の自宅を訪問して介護をします。

与えられた時間内に仕事を終えなければならないため、利用者とじっくりと会話を楽しんだりする時間はとても少ないのです。

それでも、ホームヘルパーとして利用者の自宅に入っていると、ふとしたことから異変を感じることがあるといいます。

それは、利用者のなにげない発言だったり、いつもとは違う行動だったり、少しの違和感から始まります。

長年ホームヘルパーをしている人は、認知症の始まりをいち早く察知することができ、ケアマネージャーや施設の上司に相談することができるかもしれません。

しかし経験の浅いホームヘルパーは、認知症の始まりに気が付くことができず、一生懸命に一人で対処しようと頑張ってしまうのです。

小さなことでも頑張って対処しようと思えば時間がかかります。

ホームヘルパーは与えられた時間を過ぎた分はボランティアになってしまうのです。

一人で抱え込み、一人で悩むため、対処しきれずに介護の仕事を辞めてしまう人もいます。

認知症は、限られた人だけが発症するものではありません。介護を必要としている多くの人に起こり得ることなのです。

一般の会社員から介護の仕事に転職する人は「与えらえた仕事は自分で責任を持って最後までやる」という気持ちが強い傾向があります。

しかし、介護の仕事はチームで相談し助け合いながら行う仕事です。

何か異変を感じたら、すぐに相談と報告をすることが自分を苦しめず、長く介護の仕事を続けるコツではないでしょうか。

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思わぬことを言われても「仕事だから」と割り切るクールさも必要

認知症でない人の介護をしていると「ありがとう」という言葉を励みにして仕事をすることができます。

しかし認知症の人の介護は一筋縄にいかないことも多いのです。

一生懸命、介護をしていても突然、暴言を吐かれたり、ひどい場合は暴力を振るわれたりするケースもあります。

例えば、ホームヘルパーとして自宅に入っていると、いきなり「ここにあったお金取っただろう」と怒鳴られることもあります。

自宅に入るため、実際にお金が落ちている場面に遭遇することも珍しいことではありません。

そんなときは、良かれと思ってお金を拾ってあげるのではなく

「100円玉が落ちています。拾いますよ」

と声をかけてから拾うなど「李下で冠を正さず」を徹底する必要があります。

それでも、いきなり泥棒扱いされることはよくある話です。

「ここにあった財布がない」

「ここにあった宝石がない」

と言いだした時には、感情的になって反発するのではなく、すぐに第三者を入れるようにしましょう。

そして、泥棒扱いされたとしてもいちいち傷ついているようでは仕事を続けることはできません。

認知症の人は、相手を陥れようという悪意を持って文句を言うわけではありません。

実は「自分の持ち物を盗まれた」というのは認知症の方に多くみられる典型的な被害妄想なんです。

認知症のことを理解して「認知症だからしょうがない」と冷静に受け止めることも介護の仕事を続ける上でのポイントです。

認知症の人の介護にかかせないキーワードは「自尊心の尊重」

認知症の人の介護をするとき、認知症ではない人の介護以上に気をつけたいポイントが「自尊心の尊重」です。

認知症の人は、自分では「きちんとできている」と思っています。

そして、他人から「できていない」と否定されると、とても傷ついてしまうのです。

介護の仕事を長く続けていると、時間ばかりが気になって作業的な介護になってしまうことがあります。

とくに心のケアや気配りは二の次になってしまい、知らず知らずのうちに認知症の人の自尊心を傷つけてしまっていることもあるのです。

認知症の人の介護は、身体介助と生活介助、そして心の介助もできることが理想的です。

介護職の認知症対応・イライラしないで上手に付き合うポイントまとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、介護職として知っておきたい認知症対応のポイントについてご紹介しました。

認知症の方から、名前を忘れられたり、同じことを何度も繰り返し言われたりしてもイライラするのはやめましょう。

また、突然、暴言を吐かれたり、暴力を振るわれたりしても、しかたのないことだと割り切ることが大切です。

介護の仕事に転職するとき、多くの人は「オムツ替えができるかしら」「腰を痛めないのかしら」と心配しています。

しかし、実際は認知症の人への対処方法で悩んでいる介護職員がとても多いのです。

認知症の人の介護は、度合いによって求められる対処が変わってきます。

認知症についての知識を事前に蓄えておくことで、想定外の事態が起こっても冷静に業務を続けることができるのではないでしょうか。

そしてこれから介護職に転職する人は、今まで以上に認知症の基本知識を身につける必要があるのかもしれません。

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