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介護の仕事で「寄り添う」スキルが大切な理由

介護の仕事や保育の仕事に携わるようになると、必ず「寄り添う」という言葉が登場します。

介護の現場ならば「介助」さえできれば仕事として成り立つような気がしますが、介護の仕事の中には「寄り添う」スキルが必要とされる場面がしばしば訪れます。

今回は、介護の仕事の中でもなかなかわかりづらい「寄り添う」スキルについてお話しします。

目次

介護の仕事で一番大変で難しいことは「寄り添うこと」

介護の仕事のイメージは、介護を必要とする「利用者」の食事介助や身体介助ではないでしょうか。介護施設のパンフレットには、にこやかな笑顔で対応している介護職員と同じように笑顔の利用者が掲載されています。

しかし、このパンフレットのような理想的な状況がいつも続くとは限りません。利用者の中には「自分が介護を必要としている状態である」と認められない人もいます。

そのような人は、介護職員に声掛けされることを嫌がることもあり、きつい言葉や態度をされることもあるのです。

介護の仕事は表面的にみれば「利用者の介護をすること」ですが、実は「利用者に寄り添うこと」が一番求められることになります。

寄り添うことができてからでないと、利用者に介護を受け入れてもらうこともできません。介護の仕事の中で、一番難しく、一番大切なスキルは「寄り添うこと」なのです。

寄り添う気持ちは、上っ面だけでは伝わりません。介護業界への転職は、その他の転職よりも需要があるため「転職しやすいから」という理由で介護業界に飛び込む人も多いようです。

しかし「転職しやすそうだから」という軽い気持ちで介護業界に飛び込んでしまうと「寄り添う」という一番大切なポイントを抑えることができず、なかなか介護の仕事に溶け込むことができません。

離職原因のトップ「職場の人間関係」の陰にも「寄り添う」が隠れている

介護の仕事は、需要が多く転職しやすい職種と言われていますが、実は離職率も高い仕事です。転職経験者ならば、転職の大変さを知っているにもかかわらず、離職するということはそれなりの理由があります。

それは「人間関係」です。

介護の仕事は、利用者対介護者の一対一の仕事に思われがちですが、介護施設や利用者宅のように仕事場所が変わっても背後には必ず「チーム」があります。

例えば、利用者宅を訪問して介護をする仕事の場合、現場では利用者対介護職員の一対一になることもありますが、介護職員は必ず介護施設や法人に属しているはずであり、施設に戻れば「チーム」があります。

介護職員は、介護を実際に行う人ですが、介護の計画や内容の見直し、家族の相談対応を行うケアマネージャーとは「チーム」として協力する必要があるのです。

「介護の仕事は一人でできるから」と考えて転職してしまうと、職場の人間関係が苦痛になって離職することになるかもしれません。

また、介護施設で働く場合は「人間関係」がとくに大切です。介護施設では、複数人を介護することになり、チームで助け合いながら仕事をすすめていきます。

一匹狼で仕事をされてしまうと、仕事がやりにくくなるだけでなく、情報伝達が不足して思わぬ事故を引き起こしてしまうかもしれません。

介護の仕事に合っている人は、一匹狼で動くタイプよりも人との付き合いが上手な人でしょう。人との付き合いが好きな人や誰とでも話ができる人は「介護の仕事は大変」とはあまり言いません。

介護の仕事は、肉体的に大変な面と精神的に大変な面の両方がありますが、いいチームメイトに恵まれた人は、大変なことを仲間と乗り越えることができるのです。

つまり、介護の現場で言う「寄り添う」とは、介護職員と利用者間にあるだけでなく、介護職員同士の間でも大切なキーワードであり、長く働き続けるためには常に頭に置いておきたい言葉になります。

介護の現場では、一人で対応できない場面が突然やってきます。そんなとき、困っている自分に寄り添ってくれる同僚がひとりでもいてくれれば、多少つらいことがあっても乗り越えることができるのではないでしょうか。

「寄り添う」スキルは日常生活でも役に立つ

介護の仕事は、いわゆる一見ルーチンワークのように見えますが、実は毎日の変化が大きく想定外の場面への対応が多い仕事です。

その場その場で機転をきかせて対応することも多く、誰でも簡単にできる仕事とはいえないでしょう。介護の仕事を長くしていると「寄り添う」というスキルが自然と身について、日常生活でも無意識に発揮されていることがあります。

介護職員の中には、子育てをしながら働いている人が多く、ママ友との交流がかかせません。ママ友との交流は、気の合った友達との交流とは違い、子どもを介しての付き合いになるため、必ずしも自分と気が合う人とは限らないのです。

しかし、介護の仕事をしている人は、割とどんな性格のママ友ともスムーズに交流できる傾向があります。

「寄り添う」ということは、誰にでもできそうなことですが、実は介護の仕事だけでなく日常生活をスムーズに送るためにも不可欠なスキルの一つなのかもしれません。

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