「介護の仕事をしていて認知症についての知識を深める資格を取りたいけど、おすすめは?」
「グループホームで働いていて認知症のケアを学ぶために資格を取りたいけど、介護職でも取れる資格はあるの?」
今回はそんな疑問をお持ちの方に向けて、介護職の方にもおすすめの認知症に関する資格をご紹介します。

認知症の症状は人それぞれ異なる
介護施設で働いていると認知症の利用者さんに遭遇する機会は多いですよね。
ただし、一言に認知症と言っても、みんな同じ病気が原因で発症するわけではありませんし、症状も一人一人違います。
代表的なもので、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)、血管性認知症という4つの病気などによって脳の神経細胞が壊れたりすることによって起こる症状のことを認知症と言います。
なので、老化によって物忘れが多くなるのと認知症は別物になります。
先ほども言ったように認知症の症状は様々で、幻覚、幻聴、幻視、せん妄、物とられ妄想などの被害妄想、徘徊、など、今思い浮かぶだけでこれくらいあって(実際は細かく分けるともっとあります)、更に個人個人の性格や生い立ちなども考慮して対応しなければならないので、介護の仕事を始めた頃は本当に毎日が四苦八苦でした。
最初の頃は、利用者のしてほしいことを理解できなかったり、心情をうまく察せなかったりして癇癪を起されて、叩かれたり蹴られたり暴言を吐かれたりされたものです。
「そんなことされてよく耐えてましたね。。。」と、あなたは思うかもしれません。
確かに当時は私も若かったですから、叩かれたりしたらイラっと来たこともありました。
でも自分に置き換えてみたら、「あ~、たしかにへこんでる時とかに空気も読まずにいきなり大きな声であいさつされても、あんまり良い気分しないよな~」と思うんですよね。
相手が認知症であっても、自分と同じ一人の人間です。
相手を尊重してしっかり寄り添わないことには、いつまで経っても信頼関係も気づけないまま時間だけ過ぎていきます。
私の場合は認知症について深く知りたいと思ったとき、介護福祉士を取得するまでの3年間は近所の図書館に行って関連する本を片っ端から読んで勉強しました。
もちろん本に書いてある全てが介護の現場で通用するわけではありませんが、当時は早く仕事を覚えたいという気持ちからとにかく試行錯誤を繰り返してました。
そして約10年介護の現場で働いて、自分は認知症について本当に理解できたのか?という疑問は現場を離れた今改めて思います。
と、いいますか、私のように図書館で片っ端から関連書籍を読み漁るような荒療治をしなくても、認知症の人に対するケアの知識を深く学べる介護の資格があります!
認知症の専門知識を学べる介護職におすすめの資格
認知症ケア専門士という資格をご存知でしょうか。
介護職の資格としては、まだまだマイナーかもしれません。
実際この資格を取得している人も少なくて、2020年10月時点では全国に大体56,000人くらい。


認知症ケア専門士という資格がどういう資格かというと、認知症に特化した高いレベルで実践的な知識や技術を学べることができて、この資格を取得することにより、認知症になっている人だけでなく、家族やその周りなども含めたケアやサポートができるようになります。
更に施設内では新しいスタッフに対して認知症に対するアドバイスもできるようになるので、職場でも頼れる存在になれるでしょう。
今は介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)に比べると認知度や取得率は低いですが、これからますます高齢化が進んでいくので、認知症ケア専門士の必要性も必然的に増えてくるでしょう。
認知症ケア専門士の資格取得方法
ここからは認知症ケア専門士にはどうやったらなれるのか解説していきます。
まず、認知症ケア専門士の受験資格を得るには「認知症ケアの関連機関や団体において、受験年の3月31日より10年以内に3年間の実務経験があること」とされています。
なんだか堅苦しい言い方ですが、要するに認知症に係わる職場で3年の実務経験が必要ということです。(ボランティアは不可)
それから、認知症ケア専門士になるために必要な資格は特にありません。
つまり無資格であっても3年の実務経験があれば受験資格を得られるんですね!
介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)になるルートよりはやや条件が甘めなのが魅力的です。(あくまでもここまでは)
肝心の試験の内容は一次試験と二次試験があります。
一次試験は、全200問の筆記試験です。

分野は4つで
1、認知症ケアの基礎
2、認知症ケアの実際Ⅰ
3、認知症ケアの実際Ⅱ
4、認知症ケアにおける社会資源
があります、1分野50問で、各分野で正答率70%が合格ラインになります。
ここをクリアしてようやく二次試験に行けるのですが、二次試験の内容がちょっと個人的には難しいなと思いました。
二次試験の内容は、まず論述問題です。
出題された事例問題と用紙を期限内に請求して期間内に提出します。
論述ですので答えは一人一人違うと思います。
今まで学んだ介護や医学の知識、認知症に対するケアなどを生かして更に自分なりの考えを盛り込むのが良いかと思います。
あまりに常識や知識が無く自分の主張だけしかない論文では合格点には届かないそうです。
更に、論述問題を書いてもまだ安心はできません。
今度は、6人を1組にしてスピーチとディスカッションの面接を行います。
合格に必要な5つの要件というものがあって。
・適切なアセスメントの視点を有している者
・認知症を理解している者
・適切な介護計画を立てられる者
・制度および社会資源を理解している者
・認知症の人の倫理的課題を理解している者
となっています。
いきなり知らない人と話すのはドキドキしますが、ここまで来たのなら合格までもうすぐなので、今までの知識を生かして、自分ならどうするのかというのを、しっかり自分の言葉で伝えましょう。
ちなみに、毎年1万人くらい試験を受けて合格するのは大体半分くらいですので、受験資格を得るまでのルートはやや甘めですが、試験はなかなか難易度は高いです。
介護職におすすめの認知症関連資格まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、介護職の方にもおすすめの認知症に関する資格として認知症ケア専門士という資格をご紹介しました。
では、最後におさらいもかねて、ここまでの要点をまとめていきたいと思います。
・認知症とは、代表的なもので、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)、血管性認知症という4つの病気などによって脳の神経細胞が壊れたりすることによって起こる症状のことを認知症と言う
・認知症と老化による物忘れは別物
・認知症の症状は様々で、幻覚、幻聴、幻視、せん妄、物とられ妄想などの被害妄想、徘徊、などがある(実際は細かく分けるともっとあります)
・認知症ケア専門士は介護福祉士やケアマネジャー(介護支援専門員)と比べるとまだまだマイナーな資格
・認知症ケア専門士は、認知症に特化した高いレベルで実践的な知識や技術を学べることが出来て、この資格を取得することにより、認知症になっている人だけでなく、家族やその周りなども含めたケアやサポートができるようになり、施設内では新しいスタッフに対して認知症に対するアドバイスもできるようになるので、職場でも頼れる存在になれる
・認知症ケア専門士の資格取得方法は、「認知症ケアの関連機関や団体において、受験年の3月31日より10年以内に3年間の実務経験があること」(ボランティアは不可)
・一次試験は、全200問の筆記試験。
分野は4つあって
1、認知症ケアの基礎
2、認知症ケアの実際Ⅰ
3、認知症ケアの実際Ⅱ
4、認知症ケアにおける社会資源
があります、1分野50問で、各分野で正答率70%が合格ライン。
・二次試験の内容は、論述問題と6人を1組にしてスピーチとディスカッションの面接。
・論述問題は出題された事例問題と用紙を期限内に請求して期間内に提出します。
・6人を1組にしてスピーチとディスカッションの面接では合格に必要な5つの要件というものがあって。
・適切なアセスメントの視点を有している者
・認知症を理解している者
・適切な介護計画を立てられる者
・制度および社会資源を理解している者
・認知症の人の倫理的課題を理解している者
がある。
・毎年1万人くらい試験を受けて大体半分の人が合格している。
まだまだ認知症ケア専門士は介護福祉士やケアマネなどに比べるとマイナーな資格かもしれませんが、グループホームをはじめ、介護施設には認知症の利用者が多いので、資格を持っていると有利になることも多いと思います。
介護職としてのスキルアップのためにもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。