介護職の働く場所

ショートステイの仕事内容やデイサービスとの違い・向いているのはどんな人?

「ショートステイの介護の仕事内容は?」

「デイサービスとはどんな違いがあるの?」

「どんなタイプがショートステイに向いているの?」

今回はそんな疑問をお持ちの方に向けて、ショートステイ(短期入所生活介護)の仕事内容、デイサービスや長期滞在型施設との違い、向いているタイプや働く上で知っておきたいことなどをご紹介します。

「ショートステイ」とは?

ショートステイとは、介護サービスの中の一つで「短期入所生活介護」をいいます。

滞在中は、介護施設に入居している人と同じように介護サービスを受けることができるのです。

自宅で家族と一緒に生活しながら介護を受けている人が、家族の不在中に限り施設に滞在して介護を受けるするサービスです。

そのため、滞在できる期間は一般的に1週間程度となり、最大でも30日間とされています。

一般的に、介護施設は入居型といわれる長期滞在型とデイサービスのように日帰りのサービスの2種類に分かれますが、ちょうど中間的なものが「ショートステイ」です。

「ショートステイ」に向いている人とは

介護の仕事といっても、働く場所が変われば要介護度が変わるため、仕事内容もガラリと変わります。

介護の仕事は、要介護度によっても大きく仕事内容が変わりますが、実は施設に滞在する「滞在期間」によっても仕事内容や気を配る点が大きく変わってくるのです。

ショートステイはその性質上、入居者がコロコロと変わります。

一晩だけ滞在する人もいるため、やっと性格がわかってきたと思ったら、退所日になっていたということもよくあるのです。

そのため、ショートステイは、

「短時間でその人の特徴を読み取ることができる人」

「短時間で打ち解けられる社交性を持っている人」

「先入観にとらわれない人」

が向いていると言われています。

「短時間でその人の特徴を読み取ること」と「短時間で打ち解けられること」は、利用者の居心地を左右するスキルです。

この二つのスキルを介護職員が持っていれば、利用者は施設の雰囲気に早くなじみ、限られた時間を楽しく過ごすことができるでしょう。

三つ目の「先入観にとらわれないこと」は、ショートステイでは一番大切なことです。

なぜならば、ショートステイはその他の介護施設のように、利用者と長時間接しながら、理解を深めることができません。

利用者が何を必要としているのか、どんな点に注意が必要なのかを、できるだけ早く正しく理解しなければ、大きな事故につながることもあるのです。

ショートステイを利用する人の中には、見た目ではわからない部分をもっている人がたくさんいます。

見た目で自己判断し、誤った理解をしないように「先入観にとらわれない」ことが大切です。

「ショートステイ」と「長期滞在型施設」と「デイサービス」の働き方の違いは

ショートステイは「滞在期間が限られている」と「普段は家族と一緒に生活している」という二つの特徴があります。

一方、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで長期滞在している人は、自分の家が介護施設になっているのです。

デイサービスは「日帰り介護サービス」のため、滞在はありません。

この三つのサービスは、すべて介護サービスですが、働く人が気をつけるポイントは、少しずつ違います。

ショートステイで働く人は、利用者の不安な気持ちを察し、安心して滞在できるような気配りが求められます。

ショートステイを利用する人の中には、自宅以外で介護を受けることに慣れていない人も多いのです。

短期の滞在であっても「楽しかった」と思って帰ってもらうことで、その後の介護サービスの受け方に変化を与える可能性もあります。

長期滞在型施設では、要介護度によって求められることが違ってきます。

身体介助を必要としている利用者が多い施設では、とにかく素早く正確な仕事を求められることも多いのです。

また、有料老人ホームでは施設によってはホテル並みのサービスを求められることもあります。

働き方は、施設の特徴によって全く異なる可能性があるため、長期滞在型施設で働くときには、事前にしっかりと「施設の特徴」を調べておきましょう。

デイサービスでの働き方は、ショートステイと似ているかもしれません。

日帰りサービスであるため、限られた時間を楽しく安全に過ごすことが一番の目的になります。

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「ショートステイ」で働くメリットとデメリット

ショートステイの職場は、たくさんあります。

ショートステイを専門に行っている単独型は、毎日入居者が変わるため、特別養護老人ホームから転職した人は驚く人が多いようです。

一方、特別養護老人ホームや有料老人ホームに併設された併設型のショートステイもあります。

併設型の場合は、受け入れ人数が少ないこともあるため、入居している利用者と一緒に介護することになります。

その他にも、ユニットで管理する方法があったり、空きベッドを利用する方法もあるため、「ショートステイの仕事がしたい」と思うならば、面接のときに「どの程度、ショートステイを受け入れているのか」を確認しておくといいでしょう。

ショートステイで働くメリットは、たくさんの利用者と接することができることです。

毎日同じ利用者と接することは、介護しやすいメリットもありますが、マンネリ化するデメリットもあります。

「人と接することが好き」ならば、変化あるショートステイがいいかもしれません。

一方「ショートステイは働きにくい」と思う人もいるようです。

なぜならば、ショートステイを利用する人は、普段は家族と一緒に生活している人たちがたくさんいます。

介護している家族が冠婚葬祭で不在になったり、介護している人が病気になってしまったり、緊急事態によってやむを得ずショートステイを利用している人も多いのです。

そのため、施設を利用することに慣れていない利用者や家族が多く、利用時に「ここに気をつけてください」という注文が多いことがあります。

責任感が強い介護職員ほど、家族からの注文を負担に感じてしまうこともあるようです。

ショートステイに転職するなら知っておいた方がいいこと

ショートステイで介護の仕事をしたいと思うなら「世間が休みのときは休めない」ことを覚悟しておいた方がいいでしょう。

なぜならば、ショートステイは家族が介護できないときに受け入れる場所です。

つまり、家族が出かける時期であるお盆や正月、夏休みはどこの施設も満員になるほどショートステイ利用者が急増するのです。

介護を必要とする人が増えれば増えるほど、自宅で介護を受ける人も増えていくでしょう。

そしてそれに比例して、自宅での介護と仕事を両立しなければならない方も増えていきます。

ショートステイの利用者の中には、介護に行き詰ってしまい、介護から離れてゆっくり休息を取るために利用するご家族の方もいらっしゃいます。

ショートステイで働く方は、利用者だけでなくその家族の生活も守る大切な役割を担っていると言えるのではないでしょうか。