介護職の基礎知識

知っておきたい介護職がよく使う専門用語・Part1

「未経験で介護の仕事を始めたけど、申し送りで使われる専門用語の意味がわからない」

「ADL(エーディーエル)のレベルが下がるって、どういうこと?」

「トランス介助って何??」

今回はそんな疑問をお持ちの介護初心者の方に向けて、介護の現場でよく使われる専門用語をご紹介します。

介護業界の専門用語は全て覚える必要はなし

どの業種でも、その業界独特の専門用語や、略語などがあったりしますよね。

仕事を始めたばかりの頃は、誰でもその独特の言葉を理解して適切に使いこなす事は難しいと思います。

そのため、他の職員との意思疎通がうまく取れなかったり、仕事が円滑に進まなかったりなど、色々と不便さを感じてしまう事もあるかと思います。

そして、もちろん介護業界にも専門的な用語は沢山あります。

介護業界で長年働いているベテランの介護士でも全ての用語を覚えきることはなかなか難しいと思います。

ですが、介護の専門用語はよく使う用語とあまり使わない用語があるので、よく使う用語を押さえておけばまず余程の事が無い限り大丈夫です。

介護の現場で頻繁に使われる専門用語

介護員同士の会話や、毎日の申し送りでかなりの頻度で使われる、必ず覚えておきたい専門用語をご紹介します。

ADL(エーディーエル)

まず、ADLとはActivities of Daily Livingの略語で、「日常生活動作」と言う意味です。

日常生活動作とは、そのまま読んで字の如く、トイレに行ったり、起きたり、寝たり、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、等々、日常の生活に必要な動作のことを言います。

ADLは高齢者の日常の生活や身体能力を見る時にとても重要な指標として用いられていて、リハビリの現場や介護保険制度では一つ一つのADL動作をできるのか、できないのか、どのような介助が必要か、できるADL、しているADL等の項目で評価しています。

なんだか難しい言い回しになってしまいましたが、介護員は基本的には利用者さんのADL、日常生活動作を下げないように努めなければいけません。

介護員の対応や技術不足などで利用者さんのできるADLや、しているADLのレベルが下がってしまったらそれは大変なことです。

もちろんそれだけではなく、人間は年齢を重ねることによってもADLのレベルは下がっていくので致し方ないと言う所もあるのですが、介護員の技術でそれを維持させたり、向上させたりということはある程度可能です。

かと言って、何でもかんでも手伝えば良いと言うわけではなく、できるADLや、しているADLにまで過剰に介護してしまうと、良かれと思ってしていたのに逆にADLが下がってしまう事があります。

極端な例を挙げるとすれば、一人でご飯を食べれる人に毎日食事介助をしたり等です。

あくまでも極端な例ですが、これは思いっきり過剰介護になってしまい、このような介護を続けると、それまでできていたことができなくなってしまうということです。

なので、ADL、日常生活動作を下げない為には、できない事には介護員が適切な知識と技術で手を貸して、できる事は見守ると言う姿勢が大事になってきます。

褥瘡(じょくそう)

この漢字、一発で読める人って世の中にいるんでしょうか?笑

難しい漢字ですが褥瘡(じょくそう)とは寝たきりの人等が、お尻や背中、踵や肘などの圧力がかかる場所の皮が剥けたり、赤くなったり、ただれたり、穴が開いてしまう症状のことを言います。

人間の皮膚は長時間圧迫され続けると、酸素や栄養が回らなくなり皮膚の細胞が死滅してしまいます。

我々の場合は寝ていても体が痛くなったら寝返りを打つことができますが、寝たきりの利用者さんはそれができません。

褥瘡は早い場合は2時間で発生するとも言われていて、その為、介護員はまめに体位交換をしたり、圧迫されている所にはクッションを入れたり、寝たきりの利用者さんには褥瘡予防が欠かせません。

皮が剥けている位ならまだ良いほうですが、酷くなると圧迫されていた箇所が壊死してぽっかりと穴が開いて、そこから骨が見えてしまう事もあります。

見たことが無い人は、「穴が開くってどういうことだよ??」と思うかもしれません。

もし興味があるならパソコンでもスマホでも「酷い褥瘡 画像」で検索してみてください。

結構キツイのが出てきますので、閲覧はあくまでも自己責任でお願いしますね。

でも、勉強にはなると思います。

私がヘルパーの資格を取るために学校に通っていた時には「もうすぐ褥瘡と言う言葉は言わなくなって床ずれと言うようになります」と先生から説明を受けました。

確かに”床ずれ”も”褥瘡”と同じ意味ですが、メインで使われる事はほとんどなく、未だに介護の現場では”褥瘡”と言う言葉で使われています。

一体先生の言葉の意味は何だったのか。。。

当時は介護業界全体がその方針だったけどあまり浸透しなかったのか、謎のままです。

トランス介助(かいじょ)

”トランス”という言葉を聞いて、クラブとかで流れてるダンスミュージックを連想する方もいらっしゃるかもしれませんが(実は私もそうでした・・・)全く意味は違います。

介護のトランスとは、transfer(トランスファー)の略語で、移動や転送と言った意味があります。

つまり、トランス介助とは、車いすからベットへ、車いすからトイレ等に移るときの介助のことを言います。

日本語で言えば”移乗介助”ですね。

介護員としてトランス介助の技術を高めるのは必須です。

介護士には、様々な症状の利用者さんに合わせたトランス介助の技術を身につけることが求められます。

嚥下(えんげ)

嚥下(えんげ)は「えんか」とも言いますが、食べ物や飲み物を口の中から胃に送り込む反射運動の事を言います。

介護施設では嚥下機能が低下した利用者さんには飲み込みしやすいように様々な工夫をして食事を提供しています。

ここで介護員が注意すべき事は、利用者さんの食事形態が本当に適しているか目配り気配りすることです。

むせこみが多いとか、食べこぼしや食べ残しが多いと感じた場合は上司や栄養士に相談しなければいけません。

誤嚥(ごえん)

誤嚥(ごえん)とは誤って嚥下する事。

つまり、食べ物や飲み物がしっかりと食道を通って胃に行かず、気管や肺に入ってしまうことを言います。

嚥下の機能が低下してくると、誤嚥する機会は必然的に増えてきます。

そこで注意しなければいけないのが誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)です。

嚥下が上手くできず、食べ物が気道内に入ると、いっしょに細菌も入り込んでしまいます。

この細菌や食べ物が原因で肺に炎症を起こす事を誤嚥性肺炎といいます。

肺炎は日本人の死亡原因の第3位と言われていて、75歳以上の肺炎で亡くなる高齢者は誤嚥性肺炎を繰り返す事で亡くなる率が非常に髙いんです。

介護スタッフが現場でよく使う専門用語まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、介護の現場で介護員が特によく使う専門用語について解説しました。

では最後におさらいもかねて、ここまでの要点をまとめていきたいと思います。

  • ADL(エーディーエル)とはActivities of Daily Livingの略語で、「日常生活動作」と言う意味
  • 日常生活動作とは、そのまま読んで字の如く、トイレに行ったり、起きたり、寝たり、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、等々、日常の生活に必要な動作のことを言う
  • ADL、日常生活動作を下げない為には、できない事には介護員が適切な知識と技術で手を貸して、できる事は見守ると言う姿勢が大事になってくる
  • 褥瘡(じょくそう)とは寝たきりの人等が、お尻や背中、踵や肘などの圧力がかかる場所の皮が剥けたり、赤くなったり、ただれたり、穴が開いてしまう症状のことを言う
  • 褥瘡は早い場合は2時間で発生するとも言われていて、その為、介護員はまめに体位交換をしたり、圧迫されている所にはクッションを入れたり、寝たきりの利用者さんには褥瘡予防が欠かせない
  • 褥瘡は酷くなると圧迫されていた箇所が壊死してぽっかりと穴が開いて、そこから骨が見えてしまう事もある
  • 介護のトランスとは、transfer(トランスファー)の略語で、移動や転送と言った意味があり、トランス介助とは、車いすからベットへ、車いすからトイレ等に移るときの介助のことを言う。日本語で言えば移乗介助
  • 嚥下(えんげ)は「えんか」とも言うが、食べ物や飲み物を口の中から胃に送り込む反射運動の事を言う
  • 誤嚥(ごえん)とは誤って嚥下する事、つまり、食べ物や飲み物がしっかりと食道を通って胃に行かず、気管や肺に入ってしまうことを言う
  • 嚥下が上手くできず、食べ物が気道内に入ると、一緒に細菌も入り込んでしまい、この細菌や食べ物が原因で肺に炎症を起こす事を誤嚥性肺炎と言う

いかがだったでしょうか、介護にはまだまだ専門用語が沢山あります。

中々最初は覚えるのが大変かもしれませんが、じっくりと勉強して覚えていきましょう。

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